日本都市計画学会関西支部 第23回研究発表会 報告

 日本都市計画学会関西支部第23回研究発表会が、2025年7月28日(土)に大阪公立大学文化交流センターにて開催されました。本発表会では、大学・行政・企業などの若手研究者を中心に44編の研究発表があり、総数86名の参加者を得ました。近畿県外からの参加者も多数見られ、予定時間を目一杯使った活発な質疑・討論が行われました。
 発表は全体を8セッションに分けて実施し、各セッションの座長を大阪経済大学の臼田利之先生、スペースビジョン研究の徳勢貴彦様、兵庫県立大学の赤澤宏樹先生、龍谷大学の石原凌河先生、和歌山工業高等専門学校の伊勢昇先生、大阪工業大学の山口行一先生、龍谷大学の井上芳恵先生、和歌山大学の森友里歌先生が務められました。座長の皆様からは、各発表に対して専門的立場から今後の研究の進展につながる的確なコメントとアドバイスをいただきました。

 研究内容の一層の充実と発展を期待して、座長と研究発表委員会とで8名の奨励賞を選考しました。受賞者については以下のとおりです。
セッション1:小笠原 楽(大阪公立大学大学院工学研究科) 「市街地再開発事業を用いた再々開発の整備内容と実施プロセスに関する研究」
セッション2:池田 笙冴(立命館大学大学院理工学研究科) 「京都府選定文化的景観の保全に関する研究」
セッション3:井下 晃介(大阪大学大学院工学研究科) 「都市公園での行為許可申請を体験するワークショップの申請障壁低減効果」
セッション4:山下 瑠菜(和歌山大学大学院システム工学研究科) 「放置建築物の発生プロセスに関する研究 - 不動産登記簿とインタビュー調査による実態 -」
セッション5:福本 雄大(大阪公立大学大学院工学研究科) 「神戸市の市街化調整区域における開発規制の緩和による移住促進に関する研究」
セッション6:島崎 琉佳(立命館大学大学院理工学研究科) 「都市利便増進協定を用いた公共空間の管理・運営に関する研究 - 岡崎市・康生通りの取り組みをケーススタディとして -」
セッション7:藤田 佳太(大阪公立大学大学院工学研究科) 「戎橋筋商店街における店舗構成と商店街振興の取り組みの変遷に関する研究」
セッション8:山東 美心(大阪公立大学大学院工学研究科) 「大阪都心部における横道景観の評価とそのあり方 - 難波・心斎橋・本町のメインストリートに接続する横道を対象として -」


 本発表会には、日本都市計画学会の渡邉会長にもご臨席いただき、発表会の最後には貴重な講評をいただきました。発表会終了後は、恒例となっている表彰式と交流会が催され、50名もの方々が親睦を深めました。会場では、学生、研究者、実務者の間で活発な意見交換が行われ、和やかな雰囲気の中で研究者同士のネットワークが広がる貴重な機会となりました。

本研究発表会が、今後も若手研究者の研究成果発表と学術的議論の場として発展していくことを期待しています。また、行政や民間企業からの一層の参画を得ることで、多角的な視点から都市計画やまちづくりの研究が深まり、地域に根ざした革新的な実践へと結びついていくことを願っております。

 
研究発表委員会委員長 清水裕子



渡邉会長の挨拶

嘉名支部長の挨拶

司会の清水研究発表委員会委員長

研究発表会の様子(ホール)

研究発表会の様子(ホール)

奨励賞受賞者